蕎麦の歴史

蕎麦食は江戸時代から、と思われるかもしれませんが、古くは8世紀に時の天皇が米の代替え作物として小麦や蕎麦を奨励していたそうです。
しかし栽培は定着しなかったようで、平安末期になって栽培の記述が現れ、14世紀になると蕎麦が年貢として納められるようになり、粉食としての蕎麦が盛んになって来たようです。
食べ方はまだ「そばがき」「そばかゆ」と蕎麦粉を湯で溶いた物だったそうで、15世紀に入って寺院関係で蕎麦を包丁で切って麺にする食べ方が始まり、寺院でのもてなしには現在と同じ様な「蕎麦」がだされていたということです。
一般庶民に蕎麦が食べられるようになるにはやはり江戸時代を待たねばならないようです。
戦前の東京の蕎麦屋は昼食時は忙しくなく、「蕎麦は粋な食べ物」ということで間食いや風呂屋帰りに一杯飲んで蕎麦を食うという食べ方だったそうです。そんな関係で戦前の蕎麦屋は夜中の2時頃までやっていたそうで、現代では考えられない事です。
戦後は食糧難から良質な蕎麦粉が無く、昭和25年頃からようやく老舗が本格的に営業再開したそうで、苦労がしのばれます。
今日では脱サラ、定年組が蕎麦屋を開く話がよく聞かれます。また蕎麦の自家栽培、自家製粉と蕎麦に愛着を持たれている店主が増えています。詳しい紹介は書店のグルメコーナーにおまかせしますが、蕎麦には何か、とりつかれる不思議な魅力があるようです。


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