蕎麦のいただき方

洋食のテーブルマナーにはじまり会席料理の作法等、古今東西和洋中華様々な作法があるようです。では蕎麦屋での作法というのはあるのでしょうか?
それがあるらしいのです。本の受け売りになってしまいますがいくつかご紹介しましょう。
入店する時は「暖簾を手で分けて」入り、着席は常連でなければカウンターの端に座る。 間違ってもカウンターの真ん中や、一人客で小上がりには上がらない。お店のご主人が「こちらへどうぞ」と真ん中を進めてくれればそれに従えばよいそうな。

注文は「お酒一本ともりを一つ」と言えば、お酒が進んだ頃にもりが出てくるように老舗の蕎麦屋は頃合を見計らっているそうです。そこで「お酒もう一本」とか言うとせっかく用意したもりが出せなくなってしまうそうなので、「お酒一本ととりわさ、玉子ね、お蕎麦は後からにします」と言えば良いようです。

さて問題の食べ方です。いろんな事を言う人がいますが、まずつけ汁を味見します。次に蕎麦を摘んで手の平にのせ観察する。そうして汁をつけずに蕎麦だけを味わってみます。 後は無心に蕎麦をすすれば良いのですが、蕎麦は真ん中からとっていきます。そうすれば簡単にするする取れるはずです。お店もそのように盛りつけしているそうで、そうじゃないお店は蕎麦職人が「片手もり」して横着しているようです。

つけ汁に蕎麦をつけるときは最初に味見した時にしょっぱければ蕎麦の先の方をちょっとつけてやり、しょっぱくなければどっとつけて食べればよいようです。落語などでよく江戸っ子はつけ汁に蕎麦をどっぷりつけてはいけないと言いますが、それは半可通でつゆによって食べ分けるのが本すじだそうです。

薬味も山葵は食べる都度蕎麦に直接つけて、山葵はつけ汁には入れないとか、唐辛子もその都度蕎麦に振りかけてつけ汁には入れないのが粋なのだそうです。 また付いてくる薬味を全種類入れてしまっては節操がないので、自分の好みに応じて入れるようにした方が良さそうです。

最後に蕎麦湯です。最近ではお客が催促しないと出さない町の蕎麦屋もあるようですが、これを飲んで粋にしめくくりたいものです。

ところで蕎麦屋の営業時間を見るとその蕎麦屋の経営方針がよくわかります。 老舗のほとんどは午前11時前後の開店から午後8時前後の閉店まで暖簾は下ろさず通しで営業しています。また蕎麦に和食の技を盛り込んだ蕎麦会席を売りにしている店では午後2時半前後から5時まで休息時間をもうけているようです。
やはり蕎麦食いには昼時分を外した老舗の昼下がり、酒でも飲んで蕎麦をたぐるのが本来の粋な間食いなようです。(現実逃避という話もあるが(^^;・・・・)


 戻る  進む  最初に戻る